2009年9月24日木曜日

鶏糞搬入作業をおこなう

 夜明け前に農場周辺の景色をみるのが好きです。いろづく田んぼがいちめん濃い霧に覆われており幽玄な感に打たれる。
 すでに今日は何日なのか何曜日なのかといった世俗的な感覚からは遠ざかって久しい。
 やがていつものようにお約束どおりに薄日が差してくる。日常のなかにごくあたりまえのごとくおおきな感動がそこに存在しているのだ。
 一面のモヤのなかに呆然と立ちすくしているあいだにカメラを手にとることを忘れてしまっていて霧がたなびく田園を撮影するチャンスを逃してしまった。
 状況が許されるなら、熱く紅蓮に染まる時期を見てから、無味乾燥な都会に戻りたいと思った。今は少しだけ秋の気配を感じるだけの風景だけども。

 畑での草刈りを終えたら本日のメーンイベントの鶏糞搬入作業にかからなければ。しかし、その前に朝ご飯をしっかりと食べよう。なにも焦ることはない。誰に命令されるわけではない。誰かに監視されているわけではない、好きなように一日を過ごせばいいのだ。タイムレコーダがあるわけではない。日がな一日昼寝をしていたってかまわないのだ。
 とはいうものの、2tダンプを借りられるのは本日と明日の2日間だけなので、ここは勝負しなければならない。やるときはやっておかないと来年の作物の出来にかかわることなので、搬入できるだけ搬入しておこうと決意する。

 と、いっぱしの口を効いているが、俺はいちども百姓をやったことがないのだ。百姓どころか家庭菜園なるものもやったことがないのだから我ながら呆れてしまう。

 借りた2tダンプを運転してみる。驚き桃の木山椒の木であります。まずエンジン音がバカ高い終始ガラガラがなりたてている。なんとギアとクラッチがついている。ひえーーーー。まだこんな車が存在していたのかと軽いカルチャーショックに見舞われる。
 しかし、しかしだ、さすがに天才ぽーである。以前に職業運転手をやっていたので15分も運転していたら昔の感がたちどころに戻ってしまって、たかが2tダンプちょろいものである。相棒のやっちんを側に乗せて鶏糞小屋まで40分ほどの距離をひた走る。
 しかし、しかしだ相棒のやっちんの運転はもっと凄かった。聞くところによると、つい最近までユニック付き4tの超ロング車を毎日乗り回していたのだそうだ。いやはや上には上があるものである。こうして2人は完全鶏糞ダンプの運転手になっていったのです。

 6台ほどの鶏糞を搬入する予定であったが3台ほど運んだ時点で鶏糞を持ち上げる重機が故障して切り上げる。どんなもんでも予定どおりにはいかんもんです。3時ぐらいの時間だったのでやむなく作業は終了した。帰宅しようと思っていたら農園主のおくちゃんが3人分のお風呂セットを用意してあり、これから温泉にいこうというのである。「温泉」という言葉を聞いただけでうひゃーこれはこたえられないということになりにわか「完全鶏糞ダンプの運転手」ふたりは嬉々として尻尾をふりふりついていくのでありました。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

一枚目の写真はいいですねぇ