2011年1月8日土曜日

2泊3日 厳寒の中の車中泊に出発です。

 最近はすっかりインドア派になってしまって、今年はじめての車中泊の旅です。行くところは相も変わらず茨城県ってことになります。それでも今回の最終目的地はひたちなか市であります。今回の大義名分は一応大洗高校マーチングバンド ブルーホークスのニューイヤーコンサートであります。娘が2年生になりましたから、昨年につづいて2回目ということになります。高速道路を使えば往復3時間ということになるでしょうが、例によってそうはなりません。私の手にかかれば「2泊3日の夫婦で行く東関東ちいさな旅」ということになります。同じ燃料代を使うのだからなるべくたくさん楽しまなければもったいないではないかということになります。

 厳寒のなかでの車中泊は数限りない経験があります。今でも鮮明に覚えていますが、同じぐらいの時期で房総に菜の花を見に家族で車中泊の旅をしたときであります。温暖な房総のお花畑とか一面の菜の花を満喫し、車内で一泊して明けたら、なんと一面の雪景色に変わっていたのです。いやはやこれにはどうにも参りましたね。その当時の愛車は4駆ではなく、しかもノーマルタイヤでありました。帰路の大変だったこと。どうやって帰宅したのかは、その詳細は忘れてしまいましたが大変な思いをしたことは確かであります。それに懲りてそれ以降の自家用車は4輪駆動車になりましたが、現在は、またFFの2駆であります。とにかく途中雪に降られないことを祈るのみであります。関東での雪はこれから2月後半までが要注意なのであります。北国の雪情報を聞きながら、関東の晴天で安心している時が一番アブナイのであります。
 雪国生まれですから雪道はさほど怖くはありません。しかし、関東では自分の運転よりは他人の運転が怖いのです。いくら雪道での運転に自信があっても、周囲の車はそうではありません。事故や渋滞に巻き込まれる可能性のほうが大きいのです。だから関東での雪の日は絶対にハンドルを握らないことにしています。

 ホワイトアウトという映画がありました。実際にホワイトアウトを経験したことがあります。雪でまったく前が見えない状態です。道路の輪郭さえわかりません。前が1m先でも見えない状態です。変な言い方ですが、白い闇状態です。これは怖かったです。停車していても道のどこに停車しているのかわからないのです。そんな状態のところに大型トラックあたりに追突でもされたらという恐怖、それにどんどんと降り積もる大量の雪であります。どの車もそんな状態で停止している他ないようで幸い追突されることもありませんでしたが、気になるのはガソリンの量でありました。仮にガス欠にでもなれば凍死する以外になかったのですから。当時携帯電話はなかったような気がします。それ以来遠出をする時はガソリンの量を半分以下にはしないようにしております。これは案外重要なことであり、特に田舎道を走る場合は冬でなくても注意が必要です。ただ燃料を補給する作業って結構面倒なのでついつい先送りしてしまい、本当に必要なときにはガソリンスタンドが無かったり、あっても休みなんてことが結構あるのです。これは数回痛い目に遭ってみないと自覚できないことなのかも知れません。

 念願の4輪駆動車に乗り換えたばかりのことです。深夜に普通に走っていました。4駆だという過信と道路に雪がない安心感があったのでしょう。田舎では比較的大きな交差点で信号が黄色から赤に変わったので、普通にブレーキを踏んだのです。あろうことか、なんと、その交差点で2回転したのです。瞬間自分のなかの映像はスローモーションになりました。おかしなことにまったくのきっちり2回転で車は元通りの方向を向いているのです。頭のなかには?が34個ほど現れました。「なんだ、今のはなんだ?」という状態です。幸い深夜で田舎ということであり、通る車は一台もなく、私は何ごともなかったように前進したのです。努めて冷静さを保っていましたが、その起こったことの恐怖ときょとんとした自分の姿と喜劇のような状態がないまぜになっておりました。凍結は本当に怖い。雪道を走っていると派手に道路から飛び出してひっくり返っている車をみます。それらはたいがい4輪駆動車であります。やはりどこかに過信があるのだろうと思います。ただ私はそんな車を見つけたときは例外なく「ケッ!」と一言発するだけであります。

 若い頃に山形から出稼ぎにきているという同じぐらいの年齢の青年と知り合いになりました。彼はポンコツの車できていましたので、正月の里帰りに乗せていってくれるとなりました。福島の県境を越えたあたりから当然雪道になりました。今でも不思議なのですが、それは後輪駆動の普通の乗用車です。しかも夏タイヤでその溝すらろくについてないようなシロモノです。これがまた、飛ばすのです。知り合ってまだ間もないころだったので、「こいつ、無謀なのか、ただの馬鹿なのか、それとも本当に運転が旨いのか」と疑心暗鬼でありました。その時の県境越えは栗子峠ではなく、喜多方から米沢に入る道路だったと思います。いかに雪道の運転が旨いからといって、ノーマルタイヤで栗子峠越えは無理だと思います。車は米沢を通過して長井という町から寒河江という町へいく国道で最上川に沿って走る道路があります。風光明媚で結構気にいっているところなのですが、現在は道路もかなり整備されて走りやすくなっていますが、当時は結構曲がりくねっており、道幅もせまく、一歩間違えば10mも下をその水の色は墨を垂らしたようにいかにも冷たい様相をみせて流れる最上川にそのまま転落ということになりかねないようなところでありました。その道をビャンビャン鼻歌まじりに快適に飛ばしていくのあります。そして、あろうことか時にはスパイクタイヤをはいても注意してソロソロ走っている車を追い越していくのです。これは恐怖以外のなにものでもなかったですね。生きた心地がしなかったのはあの事であります。でも、今考えてみると、彼は確かに運転が旨かったのだと思います。私はノーマルタイヤでだだ広い平地であっても、あれほどのスピードは出せません。スピードを出すということは制動できるということです。私の運転技術ではただタイヤが空回りしてしまってあれほどのスピードまで持っていけないのです。
 いるんですね、本当に運転が旨いって人が。もうひとり運転の旨い人に乗せて貰ったことがあります。彼の場合は古くからの素性を知っていましたので、特に冷や汗をかくこともなく、疑心暗鬼になることもなく安心して助手席に座っていられました。
 普段は大型ダンプで採石を運んでいる職業運転手であります。この人の運転も凄かった。やはりノーマルタイヤで雪道を走ったのですが道の特性や車の特性を熟知しているようで、確信的に車をスリップさせて制御しているようなところがあり、ほとほと舌をまいてしまいました。でもこんな連中はほんの一握りで、絶対に真似をしてはいけません。ま、そんなことはやろうとしてもできないか。

 ということで、車中泊の準備をはじめます。準備といっても2泊3日だけで、本格的な炊事をするわけではないので、とにかく寒くない工夫をするだけのことであります。今回は荷物も少ないので寝袋はやめて普通の布団を持ち込もうと思っています。家にいるときと同じ状態でゆるゆると寝ようという魂胆です。万が一のために寝袋も用意はしていきますが、おそらく使わないだろうと思います。それに電気毛布は必須ですね。昔はまったく使わなかったというか、その存在さえ知らなかったのですが、車中泊で一度これを使ったらもう手放せなくなってしまいました。
 それに日本酒を持っていこうかなと思っています。暖かい室内で鍋をやりながら日本酒を呑むというのも結構いいなと思ったからであります。もちろんその前に露天風呂であります。寒いときの露天風呂は最高です。本当は露天風呂からあがったらすぐに落ち着いて一杯やりたいところですが、野営地はちょっとばかり離れているので、それまで我慢であります。もっといえば一杯やっている時に雪なんかがちらほら落ちてくれば最高なんですが、おっと!アブナイアブナイ、翌朝やはり地獄をみたくないのでそれだけはカンベンです。
 茨城遠征をはじめて2年目になりますから、温泉やスーパー・市場等々の場所は熟知することになりました。なんだかわが家の第2の別荘地のようであります。第1は長野です。長野と違って距離も手頃だし、主立った観光地もないので道も滅多に混みませんから快適であります。それに幹線をちょっと外れれば、そこはとんでもなく懐かしい田園風景であります。ほっとします。

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