2016年4月6日水曜日

経験を積めばシンプルにならざるを得ない

まだまだ桜の花は持ちこたえていますね。私のところはちょっとだけ高台にあるので、そのせいもあるのかも知れません。などと書いておいて、外へでたら地面は散った花びらで覆い尽くされていたなんてことはあり得る話ではありますが、前線はかなりの勢いで北へ向っていることは確かであります。
このわずかな時期だけ「来年の春もこの美しい桜が見られたらいいな」と思います。花の散った後は大急ぎで若葉で身をまとってしまいますから、そんなことを思ったことも忘れてしまって日常に埋もれて暮らすことになってしまいますけど。

朝から珍しくコルトレーンを静かに聞いています。齢を重ねてきますと、大きな音がだんだんと苦手になってきますね。以前ならハードロックを爆音で聴き続けていても心地よさを感じていましたが、最近は大きな音を流し続けていますと、耳も疲れますが心もぐったりしてしまいます。たまには大きな音で聞きたいないなと思っても20分もしますと自然とリモコンに手が伸びてしまっています。ま、そのほうが近所迷惑にもならず平和な時を過ごすことができていいのですけれども。

車中泊での旅するのは私および家族は年季が入っています。もう40年近く続けていますからそのノウハウの蓄積も半端なものではありません。と自慢したいのですが、経験を重ねるごとにドンドンとシンプルになってきたので道具的には、基本できるだけ身軽にという結論に達したわけであるわけであります。もっともこの40年間に家電関係も大きく進歩してきたので大げさなものを持ち歩かなくても済むようになったことも確かなことであります。
例えば音楽を聞く場合でも、夕方酒を飲みながら音楽が聞きたいとなるわけであります。なんにもそんなところまで行っても静かに過ごせばいいではないですかなどと云われてしまいますが、そういう考え方もありであります。ただそれが長期になると話は違ってきます。北海道旅行は10日間ほどで3年連続で出かけました。そうなるとこれはいけません。最初は大型のカセットデッキを持ち込んだり、次にはCDラジカセと変わっていきました。最近はスマホだけになっています。装置も小型化してますが、そのソースもほとんど目にすることがなくなってきています。CDやカセットテープにしても狭い車内に持ち込むとなると結構邪魔になるものであります。
近年は妻と二人だけの旅が常態化してしまっています。子供らは子供らでそれぞれオートバイを駆使したり、彼女とでかけたりとそれぞれの旅を楽しんでいるようでありますけれども。
妻と二人で紀伊半島に出かけた時に、珍しく夕ごはんが遅くなってしまって、普段なら音響から照明もきちんと準備してから宴会を始めるのですが、とにかく疲れていたし、いつも晩酌の時間から大きくずれてしまっているものですから、頭のなかはとにかく「おちゃけのみたーい」でいっぱいでありますから、そそくさと呑み始めてしまいました。
ひとごこちしますと、やはり音楽が欲しいと思ったのですが、酔も手伝ってそこはかなく面倒くさい。そこでiPhoneを取り出してスピーカーなしで流してみるとこれがまたいいのです。iPhoneだけの音なんていうのはたかが知れているのですが、これがまた外の静けさとマッチしてなんともいえない雰囲気を醸し出すわけであります。そうかこんなもんでも充分に満足できるものだということを知ったわけであります。
暗い中でぼそぼそと、何を食べているのかもわからずの食事は嫌だなと思って、いつもはLED電球60ワットほどのものを用意してありますが、その時はやはり面倒で非常用のランタンひとつだけでありました。車の室内灯よりも暗いぐらいのものですが、無用に明るいよりもこれも周囲の闇とマッチしてなかなかいい雰囲気であります。焼酎のグラスがどこにあるかがわかればいいだけの話でそれで済むのだという結論に達したわけであります。

本日は経験を積めば積むほど持道具はシンプルになっていくという教訓でありました。

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