2011年1月15日土曜日

読書の冬なのだ

「読書はスポーツだった」の終焉
 ここ数年は同じ本をなんども読み返す習慣をつけるように努力してきました。それまでの私の読書の仕方は「読書はスポーツだ」といったかなりヘンな思いこみがあり、書店で見つけた本は体力と時間のある限り一気読みであります。そうして読んだ本は本棚に直行して、2度読むということはほとんどありませんでした。読書というものは案外体力のいるものでして、当時は一旦気に入った作家や作品に出会うと、それこそ寝食を忘れて24時間読み続けるのであります。当然仕事はサボリかちになり、それどころか可能なかぎりお休みをとります。それでクビになった仕事やアルバイトも結構あります。当時は若かったので仕事に対する執着もさほどなく、また次の仕事を探せばいいやぐらいに考えていました。今考えてみると、逆で仕事が面白くなかったから、読書に逃げていたのかも知れません。今となってはそのあたりの関係は曖昧模糊となっており、はっきりとしたことはわかりません。ただ当時の読書は1回きりの読み捨てだったことは間違いありません。読んだということと理解したということはまったく別次元の話であります。
 
本棚から溢れる蔵書に満足していた
 自分なりに見栄というものがあったのでしょうね。2度と読み返すことのない書籍が溢れかえっている状況というものが結構気にいっていたのです。誰か訪ねてきて溢れるような本の山を驚く様子楽しんでいたのです。どうだ、オレ様はこれだけの読書をして、勉強をしているのだよ。という愚にもつかない優越感に浸っていたのであります。中味のない奴ほど自分以外の権威や物を利用して、自分を必要以上のものに見せようと奮闘するものであります。その浅ましき心情に気がつくのはかなり後になってからであります。
気がついてみるとアメリカ人作家のものがほとんど
 いたずらに書籍を蓄積する生活やそれらを密かに自慢している自分に嫌気がさして、必要と思われない書籍をどんどんと処分していくのはかなり年齢を重ねてからのことでありました。そして処分する過程で、もう一度読むだろうと思われるものを極力残すようにしました。そしていつしか、これだと思える本を2度も3度も読み返す習慣を少しずつ身につけるようにしていったのです。
 そうした時に発見したのが、それらの書籍のほとんどが、アメリカ人作家のものがほとんどだったということであります。もちろん英語がまったく駄目な私でありますから原文なはずではありません。全部翻訳ものであります。なんでこんなにもアメリカ産の書籍に惹かれるのか自分でもわけがわかりません。アルビン・トフラー P・Fドラッガー ローラインガルス ヘンリー・D. ソロー等々数え上げればきりがありません。
 音楽や映画やTVでも小さい頃から影響を受けてきたのは確かですが、アメリカかぶれというほど汚染されているつもりはありません。むしろ世界最大の戦争陰謀国家といったことで一番嫌いな国なのにです。自分の意に反してこの結果なのでありますから、これはしょうがないことであります。
理解するためにサイトを立ち上げる
 スポーツ読書ではどうしようもないことを悟った私は、理解するための読書に切り替えました。必要とあれば何度でも読み返します。もちろん私のしょっぱい頭では全部理解することなど不可能であります。それでも努力してみる価値はあると思っています。だから10回ほど読み返した本も出てくるようになりました。読まなくても理解できればそれに越したことはないのです。理解できていれば読書そのものも必要がないものとなります。逆に少しも理解できないのなら読書などそもそも必要のないものとなります。
 そこで理解するために考え出したのが、自分のためのサイトを立ち上げることです。例えばP・Fドラッガーの書籍を読み始めたらすぐさまにそのサイトを立ち上げて、関連する情報を収集して収録してしまうのです。書籍の前文を掲載すれば著作権にひっかりますが、目次ぐらいは許されます。読書の進行にあわせて目次も掲載していくのです。もちろんそこには書評というまではいきませんが読書感想文ぐらいは書き込むようにしていくのであります。そういうことをやっているとただ書籍を読むだけでは理解できないものもかなり深く入りこんでいけるようであります。もちろんこれは私のメモですから、大々的に宣伝することもないのでサイト名は秘密でありますけれども。
読書感想文の難しさ
 さて立ち上げた関連本のサイトに書籍の読書感想文を書くといいましたが、これが実に難しい。読み飛ばしの読書方法だったら、「ひやー面白かった」で済んでしまいますけれど、何がどう面白かったのかを再検証しなけれっばならないわけであります。消化した部分を自分なりの表現や言葉で書かなければならない作業というのはかなり難しいということを今更ながら思い知らされたのであります。なんにも書けない状態なんていうのは普通のことであります。だからそのサイトは永遠にシークレットなのであります。

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