目覚めたらまたしても寒そうな雨が降っていました。なんだか10月に入りましたら雨が多いような気がします。きっと今日の檜枝岐村は震え上がるような寒さだろうななんて思いながら思わず連休時の晴天を祈ってしまいました。
ただ急速な冷え込みは大歓迎であります。そのぶんだけ紅葉の染まり具合が鮮やかになっていくような気がするのです。先日テレビでちらっと見たのですが、日光の戦場ヶ原もかなり秋色に染まってきていました。ひとりテレビに向かって「なかなかよろしい、もっともっと週末までに艶やかに染まってくださいよ」なんてつぶやいてしまいました。
はじめて奥会津地方に出向いたのは20数年ほど前のことでありました。やはり季節は秋でありまして、そのときに偶然にも出会ったのが、涙が溢れそうになるほどの全景真っ赤かな紅葉の世界でありました。あの時の感動は今でもしっかりと目に焼き付いていて離れません。
遠景の山々も真っ赤ですし、近景の樹木も真っ赤紅葉のトンネルのなかを走り抜ける爽快感は筆舌につくしがたく、「ウッソー!」「ホント!!」「シンジられない!?」等々のウスラバカギャル語が自然と口をついて出てくるぐらいでありました。
その感動的な紅葉に会いたくて、紅葉の時期になると何度も奥会津に出かけたのですが、不思議なことに一度たりともあの時のような完全無欠の紅葉に出会うことはありませんでした。
あの光景は夢ではなかったはずですだと諦めきれずに最低でも年に1回は出かけて行ったのです。多いときには秋だけで3回なんていうこともありました。半分は意地にもなっていましたが、半分は完全無欠の秋でなくてもいいかんねという気持ちでもありました。
いつも外れてばかりの奥会津はそれなりに秋のの様相を見せてくれていましたから気持ちの底に確実にドーンと安堵感と懐かしさを持つことができたのでした。
秋の山里の光景というものは、たとえ自分の生まれ育った古里ではなくてもどこかに懐かしさと安心感を持たせてくれるようであります。蒼く高く晴れ上がった空に群れ咲くコスモスが風に揺れます。刈り入れのの終わった田んぼに「煙たなびく我が家こそ・・・」なんて感じで稲藁を燃しているのだろうか、煙りがすーっと立ち昇る光景は、ああ、これが日本の原風景なんだなんて思ったりもします。
私の住む千葉県だって紅葉はします。しますけれど、ケジメってものが足らないと思います。なんだかズルズルと葉っぱが色づき知らない間に散ってしまっています。雪もほとんど降らないので、あれ?いつ冬になったんだろうなんて思っていると、ズルズルと新芽を出したりしています。やはり積雪が2メートルから3メートルになる奥会津地方のようなメリハリがさっぱりありません。住んでいる人々にとってはもの凄くやっかいな雪でしょうけれども、やはり豪雪の存在が季節にメリハリをもたらしていると思えます。
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