2009年11月18日水曜日

大草原の小さな家シリーズ「農場の少年」


農場の少年―インガルス一家の物語〈5〉 (福音館文庫)


 今年前半に一度読んだ「大草原の小さな家」シリーズを再び読み返しています。1巻の「大きな森の小さな家」は娘が寮に持っていったきりなので、読むことができない。
 だからいくら身内だといえども、本を貸すの好きじゃないんだ。貸した書籍のほとんはまずは返ってこないことを覚悟すべきですね。

 児童文学書なんてものをおおまじめに読むのは初めてのことではないかとも思う。でも思い出してみればロビンソン・クルーソーとか15少年漂流記なんてのも児童文学書の範疇に入るのでしょうから、そうでもないのかも知れません。もともとそんなジャンルわけすることに意味はないし、面白ければそれでいいではないかと思うのだけれども。

 ローラインガルスの主な著書は以下の9冊になっています。テレビドラマのタイトルは3冊目から取っていますね。一連の著作を読んでいきますと、ドラマのほうの後半部分はかなり違っているのではないかと思われますが、別にそれに異議を申し立てるつもりはありません。原作と映像はまったく別ものと考えるのが正しいのですから。
 まして、もともと「大草原の小さな家」を知ったのはNHKで放映されていたテレビドラマなのですから、私にとっても原作はテレビドラマということになります。


  • 大きな森の小さな家

  • 農場の少年

  • 大草原の小さな家

  • プラム・クリークの土手で

  • シルバー・レイクの岸辺で

  • 長い冬

  • 大草原の小さな町

  • この楽しき日々

  • はじめの四年間


 「農場の少年」は他のシリーズのものとはかなり異質なものになっています。後のローラの夫になるアルマンゾの少年時代のことを中心に書き表しています。ここでは開拓者一族のインガルス一家もローラも一切でてきません。アルマンゾの一家は開拓者というよりも、すでに定着して安定的な農業経営をおこなっている比較的裕福な家庭を中心に馬を中心に動物好きのアルマンゾ少年の成長していく姿が描かれているのであります。シリーズのなかでアルマンゾが登場してくるのはかなり後になりますから、ここでわざわざ読む必要はないのですが、ローラの作品の発表順に読んでみようとことで、今回はあえて読んでみました。

 ローラワイルダーは最初これほどの作品を書こうと思っていなかったようで、最初に出版された「大きな森の小さな家」が評判が良かったので、二作目に「農場の少年」を書いただけのようであります。その後はきっちりとシリーズ化されて、年代順に書き進めていったようであります。

 特筆するべきは、これらの作品はすべて60歳を過ぎてからのものばかりのようであります。60歳過ぎてから急に筆を執ったということではなくて、地方紙等にコラム等を時々投稿しており、それなりの評判を得ていたらしいのであります。これらの一連の作品を発表するにあたっては娘のローズの多大な尽力があったようであります。

農場の少年目次



  • 学校

  • 冬の日暮れ

  • 冬の夜

  • 思いがけない出来事

  • 誕生日

  • 氷蔵の仕事

  • 土曜の夜

  • 日曜日

  • 子牛馴らし

  • 冬から春へ


  • 金物行商人

  • ふしぎな犬

  • 羊の刈りこみ

  • 晩霜

  • 独立記念日


  • るす番

  • はやい取り入れ

  • おそい取り入れ

  • 郡博覧会

  • 冬のおとずれ

  • 靴づくり

  • 小さな二連橇

  • 脱穀

  • クリスマス

  • 丸太運び

  • トンプソンさんの財布

  • 農場の少年


 本当はアメリカの地図と年表を手元において読み進めておけば、もっともっと深く作品を味わえるのかと強く思います。独立戦争から何年たっていて、南北戦争はいつだったのか、そしてその頃の日本はどういったことをやっていたのかを比較して読み進めていけば、現在のアメリカの姿もある程度つかめるような気もするのですが、本来の無精が災いしていて、未だなんの準備もしないで読んでいるあたりが情けない。
 確かテレビドラマのなかでは、ケンタッキーフライドチキンの創始者のおじさんもちらっと登場する場面も記憶していますし、西へ西へと西部開拓者は移動していくのですが、それは横断鉄道が西へ西へと延伸していくのに併せています。基本的には西部開拓史の一旦を垣間見ることであるようであります。

 現在秋田で百姓の真似事らしきものをやっていますが、開拓というのはそんなものの百倍から時としては五百倍ほど過酷なものだったんだろうと想像がつきます。もっともこれらの書籍から刺激を受けて超時代錯誤な百姓の真似事をやってみようなんて思ったのも正直なことであることを白状しておかなければなりません。

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