2011年8月30日火曜日

エンジンを切ってサイドブレーキを引いて、対座シートにし終わると同時に、シュポっと音がして

 2週続けての旅でさすがに疲れてしまって、昨日は盗まれてしまっては困る電子機器類だけを車からヨロヨロしながら降ろして、その大半を昼寝をしたりしてゴロゴロと過ごしてしまった。昨日はヨロヨロゴロゴロな一日だったわけだ。
 何の予備知識もなしに、野営地「道の駅かつら」に行く途中にあるからという理由だけで立ち寄ったのが、写真にある「笠間日動美術館」であります。片田舎にある美術館であるから大した展示物も無かろうと思っていたのですが、入ってびっくりです。
 中でもフランス館の展示物には、驚くとともに圧倒されました。印象派のモネ、ドガ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌ、親密主義のボナール、現代絵画を指向したマチス、ピカソ、エコール・ド・パリの画家シャガールとあり、なんでこれほど凄いのかという話であります。それにどこが日本・アメリカ館だったか記憶は定かではないのですが、アンディ・ウォーホル、サム・フランシス、ジャスパー・ジョーンズ、高橋由一、岸田劉生、佐伯祐三の絵まで展示されているのです。《画家の名前はウィキペディアより引用》
 私にとっては久しぶりの大ヒットでありました。また我が家からこの美術館に至る途中の風景が素晴らしくのどかな田園風景でありまして、こういう風景こそが茨城の良いところなのだと再認識したしだいであります。通常大洗町に行く場合は6号線をひたすら水戸まで走ります。今回はその手前の恋瀬橋というなんともロマンチックな名前の道の駅を過ぎたあたりから左に進路を切りました。そこからほぼ一直線で笠間市を目指しますが、その途中に展開するなだらかな丘陵を背景にした森や林や畑や田んぼの光景が目に心地良いのでありました。我が家から2時間あまりのところにこのような場所が存在することに限りなくほっとしてしまいます。
 その後城里町にあるホロルの湯という日帰り温泉に寄る。普段の日は800円という微妙な入浴料であるが、土曜日ということで、なんと1000円もふんだくられてしまった。入館した時間が午後4時でありまして、5時からは500円になるという。妻は待とうというのだが、その時刻になると私の頭の中の大部分を支配しているのは冷たいビールであります。まだ夕方の買い物もしてないのだ。だから独断と偏見でそのまま半ば強引に入浴に突入であります。温泉はなかなかいいです。清潔であるし、プールも併設されており、かなり大規模な施設でありました。もっとも温泉施設以外はなんにも見てないのですが。
 夕方の買い物はエコス城里店と決まっているのです。ここ以外は野営地「道の駅かつら」の周辺にまともなスーパーが無いことを何度も利用しているなかで知っているのであります。

 まだ夏休み中ということで多くの人が思い思いにテントを貼ってキャンプを楽しんでいました。到着した頃は日はどっぷりと暮れていましたが、エンジンを切ってサイドブレーキを引いて、呑み始めるまで3分というカップヌードル並の速さの準備であります。私が助手席を後ろに向きに回転させて対座シートにし終わると同時に、シュポっと音がして、「はい、お父さんまずは一杯」と妻にビールとコップを差し出されたときは、何故かおかしくて笑い出してしまいました。
 明日が今回の最大の目的である、大洗町で開催される「大洗八朔祭」で娘の所属するブルーホークスのパレードを観る予定なのであります。
 夏の終わりを感じさせて気温はグンと下がり、鈴虫の声も聞こえ、秋の気配を感じさせています。こうなってくると、あの夏の暑さも名残惜しいと思うのだから人間というものは実に勝手なものであります。
 娘にとっても学生生活最後の夏であります。来年になっても娘のいない茨城をわざわざ尋ねてくるのだろうかと、ウーロンハイを舐めつつ空を見上げたら曇っていてひとつの星も認めることはできなかった。

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