2010年10月21日木曜日

ますます料理らしきものにのめりこんできた・・・・・

 昨夜は鬼門の餃子を作りました。それもたった独りで作り終えました。「おー、それは凄い!!」なぁんてことには決してならないのでありまして、家庭の主婦なんかは、朝から晩まで料理を独りで黙々と作り続けているわけであります。ごく当たり前のことを、いかにも大業を成し遂げたように勝手に喚いているわけであります。しかし、これまで上げ膳据え膳の生活に何の疑問を持つことなく暮らしてきたものにとっては驚天動地・自画自賛・白髪三千丈の偉業ということになるわけであります。特に餃子作りは餡を皮に包み込む作業が実に面倒でありまして、特に合わせ目のところの折り返しがなかなかクネクネクネとならないのであります。この表現もいまいちわかりにくいが餃子を知っている人にはこの説明だけで充分でありましょう。
 昨日は一人あたり20個分の4人分ですから80個をテレビ朝日の「相棒」の再放送を見ながら黙々と包み続けたわけであります。最初はなかなか上手く包めなかったのですが、以前の経験も後押ししてくれまして、最後にはかなり上手に包むことができるようになっていました。妻に餃子を焼いて出すときは一番上手くいったものを選りすぐったものを焼いてだしたら、「本当にお父さんが作ったの?なんだか買ってきたもののようだ」とまで言わしめるものを作れるようになっておりました。当然のことでありますがしてやったりとニンマリしましたね。
 餃子の餡を包む作業を続けていて思い出したのが、秋田で百姓をやっていた時の草むしりであります。畑作をやるということは、ある意味草との闘いなのであります。草むしりが大変だというのは、家庭菜園等をやっている人から何度となく聞かされていたことでありますが、いざ自分がやってみると案外楽しい作業であったのです。最初は炎天下のなかで嫌だなと思いながらも、草むしりをやらなければ、植えた作物は雑草にやられてしまいますから仕方なく始めたのですが、畑に座り込んで日がな一日のんびりと草むしりをやりましたら、これがことの他自分のなかに入り込めるというか、もう一人の自分を見つめているというのか、逆にいうと没頭することによって、無我の境地になるような気がして、これまでの煩雑な世界からの脱却のようで、実に貴重な体験を味わうことができたのです。
 なんだかいまひとつうまく表現できないな。秋田までの630kmを独り夜の道を黙々と運転しているような。うーんますますわからんか。ま、とにかくそのような気持ちを味わうことができたのであります。そうか!単純な労働も時としてかなり充実した精神生活を味わわせてくれるということを発見したわけであります。
 同じようによく「料理を作るのは好きだけど、後始末が嫌でね」ってことを良く聞きます。これまでは深く考えもしないで、そんなもんかも知れないなと思っていましたが、料理らしきものをやり始めてそれは不思議なことだと思うようになってきたのです。私の場合は「料理は苦手だけど、後片付けのほうが好きなんだ」というふうになってきています。
 私が料理をやる場合は、台所周辺をキレイに掃除することから始めます。食器も道具も洗い場も調理台もガスレンジ周りもきちんと掃除してからでないと料理を始めません。どうもそうなっていないと作る気になれないのです。だから、時々レンジ周りのちょっとした油汚れが気になってしまって、それを掃除していたら疲れはててしまって、肝心な料理はできなかったなんてことがシバシバありました。
 最近は夕食の後にいくら酔っていても必ず洗い物だけは終してから寝るようにしています。いつもそうであるとは限りませんけども、極力、次の料理までにはピカピカというわけではありませんが、少なくても食器や道具を元の場所に収納するようにしています。洗い物や後片付けもコツコツとやり始めますと忘我の心境に入ることができるのであります。

 またこれは多分にアウトドア仲間のMの影響が大きいと思うのですが、Mは料理上手です、そして大変な大酒呑みであります。二人で呑むとなるときはまずは二人で買い物にいって、Mが料理をします。私は呑みたい気持ちをぐっと抑えてMの料理が終わるのをじーっと待ちます。Mは料理ができても「さあー、できたぞ、ぽーさん呑もう」とは決してならないのであります。まずは、料理に使用した道具類はすべて洗って拭きとってもとあった収納場所にきっちりと収めて、さらに生ごみを処理してと、完全に後片付けが終わるまで決して宴会に突入しないのであります。最初のころは待ちきれずにイライラしていたのですが、最近は慣れてしまってMの料理をする傍らで私が洗い物や後片付けを手伝うようになりました。それを見てたものですから、自分でも料理をやるようになってからは、実践するようになりました。同じ時間をかけるのですが、後でやるのか今やっておくかの違いはかなり大きな問題だと思います。

 料理とはたんに食べ物を作るというものではなく、買い物から始まって、整理・整頓・清掃・調理・反省・満足という一連のものを指していうものだということを大悟したわけであります。
 うーん。餃子を作った話がサトリまでにいくとは本日のブログは大成功といえますね。呵々大笑

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