2011年4月11日月曜日

『戦い、敗れし者へ』 孫崎享

    『戦い、敗れし者へ』

韓国首相に怒るな。事実なのだから。
韓国の首相は7日の国会答弁で「日本が無能」と言った。
世界中、福島原発の処理で日本政府の能力のなさに、
ここまでひどいかと驚愕している。
しかし、これは何も原発問題だけでない。象徴的に現れただけだ。
日本は、今、待ったなしで、繁栄から転げ落ちている。
全ての分野で事態を正視し、変革を必要としている。
最適の人材が任に当たるべきである。
日本で菅首相が首相に最適な人間とは誰も思わない。
しかし、現に彼は首相である。
代わる人間が出ても最適ではない。外務大臣も同じ。
日本人と結婚している中国人女性が通訳の経験を次のように言った。
「中国では組織(国家)の上へ行けば行くほど聡明な人が出て来る。
日本は上へ行けば行くほど馬鹿が出て来る」。
この中国人女性に怒るな。事実なのだから。
しかし日本の悲劇はこの状況がほぼ全ての組織に該当する。
変革が強く求められる。では社会は今、その方向に動いているか。
果たしていない。スローガンは空々しく響く。そうお思いでしょう、
朝日新聞の記者。御用学者は花盛り。正当な事実認識すら出来ぬ、
許されぬ日本になった。待ったなしで変革が求められる状態下、
日本社会のどの分野であれ「立ち上がろうとする者が出れば
これに被害を与えるシステム」だけは完璧に、見事に機能している。
特に最近は酷い。
個々の政治家が敗れ、個々のジャーナリストが破れ、個々の公務員が
敗れている。持ち場から追われている。今後も敗れていくだろう。

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