iPhoneを手に入れてから1年あまり使いこなすことなどを考えたわけではなく、単なる携帯の受信機としてだけ放っておいたわけですから、それを急に思い立って2日や3日弄ったからといって上達するわけでなかったのですが、とにかく慣れることが先決だろうと強く思ったのでした。やはりそこにお金が絡むと真剣になってきます。だってiPhoneを使えるか使えないかによって、カーナビに費やすお金の額が大きく違ってくるわけでありますから。
そこで自分にとって役にたつ、使えるiPhoneアプリはどのようなものがあるかから調べました。その課程でカーナビとはまったく関係のない、書籍ビューアの豊平文庫(ほうへいぶんこ)なるものが目についたのであります。有料で450円でありました。後でわかったのですが、無料のものもあったのですが、その時に目についたのがとにかく有料でありました。基本的にケチな私はそこでかなり躊躇いましたが、なんか舞い上がっていたともいうのでしょう。気がついたときにはiTurnesの購入ボタンをプチと押した後でありました。
いつものことなのですが、インストールしてしまえばそれで安心するようなところがあり、特に今回は行きがけの駄賃程度でインストールしただけのことですからすぐには使うことをしませんでした。ある程度カーナビアプリの目処がついたところで、何気に使ってみました。
これがまた驚き桃の木の世界でありまして、実に読みやすかったのであります。最初は何を読もうかと迷いました。用意されている本はどうも「青空文庫」というサイトからダウンロードしてくるようであります。この青空文庫なるものは著作権の切れた作品を有志でもって電子書籍化しているようなのであります。このあたりはまだ詳しく知りません。
著作権というものは日本では50年ほど有効ということで、当然ほとんどの本は50年前のものになります。だから読める書籍が1万冊ほどあっても、なかなか私が読みたいと思う本がないというか、どれを選んでいいのかわからないというか、悩ましいものがあります。
それで仕方なく最初に選択して読んだのが夏目漱石の「ぼっちゃん」であります。夏目漱石の書籍は自分の本棚にもあるのです。今では読んだかどうだか記憶はかなり曖昧になってはおりますが、読んだとしても、その内容はほとんど忘れてしまっているのです。自分の本棚にあるのだからたぶん読んだのでありましょう。
最初はちょっと試してみようぐらいの気持ちだったのですが、これがすっぽりと填ってしまいました。夏目漱石の「ぼっちゃん」であったから填ったというのもあるでしょうけれども、実に読みやすいのであります。ちょっと時間がある時にiPhoneをタップするとすぐにこれまで読んでいた箇所が瞬時に立ち上がってきますし、大体において邪魔にならないのです。いやーこれほど填るとは思ってもいませんでした。これまでも散歩に行く時に文庫本を持っていくということもありましたが、だんだんと面倒になり、最近はほとんど本を道歩くということがなくなっていました。それが、iPhoneを持って行って音楽を聞きながら、本もたっぷりと読めるという、これまでは考えたこともない別世界が出現したのであります。
これまでiPhoneでホームページを読むというのは好きでありませんでした。寧ろ嫌いであったといっていいでしょう。大体画面が狭すぎて1ページを読めばかなりなストレスを感じてしまいます。しかしこの豊平文庫(ほうへいぶんこ)なるものは実に読みやすいのです。ページめくりもサクサクですし、付箋もつけられます。これほど読みやすいものだとは思っても見ませんでした。ぼっちゃんを皮切りにすでに5冊ほどがiPhoneの中に収まっています。
本末転倒のような気もしますが、カーナビアプリのことはどこかへぶっとんでしまっていて、どこへ行くにもiPhoneは手放せない必須アイテムになってしまっているのであります。音楽・読書・メール・カーナビ・ラジオというアイテムが小さなiPhoneのなかに収まってしまっているのです。今では眠る前にも寝袋の中で読書をするようになりました。読書が場所を選ばないというのはすごいことだと思います。容量からすれば、後100冊分ぐらいは入れられそうです。たとえ文庫本でも100冊となるとかなり重いですよ。それがまったく重さを感じることなく持ち運びできるってのも驚きであります。
この状況は何かに似ていると思った。そうです、はじめてiPodで音楽聞いたときの状況に酷似しているのであります。最初はかなり疑心暗鬼でありましたが、聞き始めたらもう手放せなくなってしまって、現在に至っております。しかも15000曲近くを常に持ち運んでいるのですから、これをCD媒体で持ち運ぶとしたら物理的に絶対に無理だと思います。
本文とこの写真はまったく関係ありません From kato-tubaki |
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