2009年5月22日金曜日

あらたいへん ウチの隣がテレビに映ってるわ

 オーディオの音が良くなると、聞く音楽も変化してくるらしい。朝はクラッシクで昼休みもどっちかというとクラシックで、呑み始める夕方はジャズでして、酔いが回ってくるにしたがって、演歌になり、最後はロックでお開きとなります。だいたいこのパターンが多くなってきましたね。

 それで昨夜そろそろ演歌からロックに変更しようかと考えて居たときに携帯電話が突然鳴った。ある地方都市に住む友人の奥さんからであります。親父が単身赴任しているから時々寂しくなるのだろう。1ヶ月に1回ぐらいの割合で四方山話に花を咲かせるのだが。昨夜はちいと様子が違っていた。

 3分ほど話をしていたら突然

「あらたいへん ウチの隣がテレビに映ってるわ。あれ、これウチだわ、わ!わ!わ!!!殺人事件だって・・・・・ちょっと電話切るね」

 いやはや、急いでテレビをつけてみるが私の住んでいるところからおおよそ800kmも離れている地方都市のことなど映っているわけもなく。

 ほどなくしたらこんどは旦那からであります。

「いやーマイッタね。殺人事件だって、それも隣の家なんだよ。テレビ・新聞が押しかけてきているらしい。女房には軽々にインタビューには応じるなって口止めをしておいたけどね。明日土曜日だし自宅に帰り詳しい様子を聞いてくるよ」

 それからしばらくしてから奥さんから再び電話があったので

「インタビューにはこちらから押しかけていってでも出まくること、あることないことなんでもかまわないからしゃべりまくること」

と厳命しておいたけどその後どうなったかはまったくわからない。

 朝のワイドショーあたりでやっているかも知れないけど、最近テレビをまったく見なくなってしまったのでわからずです。googleニュースで検索して見たけどこれらしいってのも探せなかったし、ま、どうでもいいかあ。





 そんなことがあって、休み明けの月曜日の朝に

「朝早くからすみません。○○県警の星というものですが、ご友人の牧原さんについてお伺いしたいのですが」というドアホンの中に二人の姿を認めた。

 え?なぜ牧原のことなどを聞きにきたのだろうか、かなり訝しく思ったのだが、とりあえず食堂も応接室も兼ねる居間にとおして話を聞くことにした。

「実はですね、金曜の夜から、牧原さんは行方知れずになっておりましていくらかでも事情を知っていれば教えていただきたいと思いまして」

「金曜の夜というのは、確か牧原の自宅の隣で殺人事件があった日ですよね」
「あの日牧原は私に電話してよこして、これから自宅に夜行バスで帰るといってましたが」

「実はですね。詳しいことは余り申し上げられないのですが、隣のヨーダさんが殺害された事件に何らかの関わりがあることがわかってきまして参考人として県警でも探しているのです。」

「でも彼は今月から東京で約半年間の社内研修があるとかで現在東京のウィクリーマンション暮らしだと聞いていますが。事件のあった当日も本社からだと云って電話がありましたけれども」


 ヨーダ殺人事件は未解決のままほぼ1年が過ぎようとしていた。事件の当日に失踪した牧原の行方はようとして掴めず。私も心当たりの場所を休みの度に探し回ってはみたのだがさっぱりであった。
 不可解なのは牧原が失踪した約半年後に妻である侑子も忽然として姿を消したのである。




なぁんてことになると推理小説になるのだが現実は決してそんなことにはならずにそのままそんな事件もやがて忘れ去られることになるのであります。文中に出てくる人物は架空のもので実在するものではありません。ただし前半の電話での会話は本当の話であります。そりゃあ驚きますよね。非日常のことですからね。それで「殺人事件」なんて書いていたら、ついつい後半部分が書きたくなってしまっただけの話であります。

特に殺されたヨーダさんとか失踪した牧原さんなんてのは怪しい面々隊とは一切関係ありません。
刑事の星さんもキャンプ場のオーナーとは関係ありません。牧原の妻侑子もキャンプ場の侑子さんではありません。

って当たり前か わははははは

0 件のコメント: