朝の6時頃に農園主のおくちゃんが久しぶりに農園にきた。「はやく草むしりをやらないと、草が蔓延って野菜が負けてしまうかんね」「もたもたしていると植え付け時期を逃すカンネ」と矢継ぎ早なカンネ攻撃を仕掛けてくる。ちょ!ちょ!ちょっと待て。わかっているんだよ、充分承知しているんだよ。だが体がまだ動かない。体がまったく自分の思うように動かない。少々焦るが、彼が帰ってから、オレはオレだと開き直る。野菜なんていうものはスーパーで買って食ったほうがかなり安いものだ。いざとなればスーパーがあるじゃないかと、なんだかわけのわからない理屈が頭に浮かんでは消えた。
いつもぽつんと独りぼっちだった農園にも最近訪ねてくる人が増えてきました。増えてきたといっても片手で数えられる程度でありますけれども。それでもものすごく心強いことであります。見知らぬ土地でまったく知り合いのないなかでちょっとして会話を交わせるシアワセの重要さを身に染みて味わっています。多謝。
釣り堀屋さんのササキさんが朝の7時ごろ農作業をやっている時に自転車で訪ねてきた。「ここ2,3日いなかったじゃないですか?」「うん、3泊4日で青森まで旅してきたよ」え?ササキさんは確か自動車免許を持っていなかったはずだけど。「まさか、この自転車で行ってきたのですか?」「そうだよ、オレはいつだって自転車で旅しているんだ。」まったく愉快な人であります。泊まるところは道の駅らしいです。しかもテントも寝袋も持たずです。さすがに私には真似のできないことであります。完全脱帽です。私も農作業が一段落したら、自転車とはいかないが、車中泊で東北をほっつき歩いてみようと思う。
朝の野良仕事を終えて遅めの朝食を食べ終わったら、釣り堀屋のササキさんが温泉にいこうって誘いにきた。朝仕事で今日の予定をほぼ終わらせていたので、誘いにのることにした。10時の開場を待って温泉に乗り込む。こんなに早くこの温泉にきたのは初めてである。なんだか連日の筋肉痛を温泉で誤魔化しているような感じになる。これって最高の健康法かも知れないと思い始める。
のんびり温泉に浸かって帰ってくると、体がかなり楽になっていたので、明日のじゃがいもの植え付けのための畝作りにとりかかる。今のところ植え付けるのは「きたあかり」だけであります。体力に余裕があり、時期を逃していなかったら、もっと違う品種も植えてみたいと思うがどうなるかはわからない。
午後からは生まれ変わったように体が動く、2畝を一気に耕してしまった。かなり体が慣れてきたようであります。最初の日などは半分の畝を耕しただけでダウンしたのに、本日は午前中に3本も耕してしまった。ちょっとだけ自信がでてきたのであるが、ここで調子に乗ると、また起き上がれないほどの筋肉痛と疲労に襲われてしまうから、本日の農作業は強制的に終わりにしてしまった。それに小雨がパラついてきたので、ちょうどいいタイミングでもありました。あくまでも自分の体と相談しいしい、のんびりとゆっくりと生きていくのであります。
農業がそんなに好きかと問われれば、???マークが123.5個ほどついてしまいます。世の中には農業が好きで好きでたまらないという人も多いと思います。(ここの農園主のおくちゃんがそうです。)私はそれに反して別に好きでも嫌いでも無かったし、なんの感心も興味もなかったわけであります。去年から何ヶ月か農業のマネゴトをしてきましたが、ものすごく好きになったということもないし、別段嫌いになったというわけでもありません。私の場合は農業そのものよりもこのより自然に近いところでの暮らしが気に入っているのだと思います。今はたんにこの田舎暮らしを楽しめればいいのだと思っているのです。難しいことを問われても今の私には応えるものが何もないのであります。
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